製造現場や品質管理の仕事でよく耳にする「検査」と「校正」。
どちらも「正しいかどうかを確認する作業」ですが、実は役割や目的は大きく異なります。
この記事では、検査と校正の違いをわかりやすく解説し、現場で混同しないためのポイントを紹介します。
検査とは?
✅ 定義
検査とは、製品や部品が設計図通りに作られているかを確認する作業です。
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寸法が公差内かどうか
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外観に傷や不具合がないか
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性能が基準を満たしているか
✅ 目的
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不良品を出荷しないため
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顧客要求を満たすため
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製造工程の不具合を早期発見するため
つまり検査は 「製品そのものの確認」 を目的としています。
校正とは?
✅ 定義
校正とは、測定器が正しい値を示しているかを基準器と比較する作業です。
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ノギスやマイクロメータの目盛りがズレていないか
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トルクレンチが規定のトルクを示しているか
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三次元測定機が正確に座標を測れるか
✅ 目的
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測定値の信頼性を保証する
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国際標準(トレーサビリティ)につなげる
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不良判定の誤りを防ぐ
つまり校正は 「測定器の正しさを保証する」 作業です。
検査と校正の違い(表で整理)
項目 | 検査 | 校正 |
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対象 | 製品 | 測定器 |
目的 | 製品が基準を満たしているか確認 | 測定器が正しい値を示すか確認 |
実施者 | 製造・品質部門 | 品質保証部門、校正専門機関 |
頻度 | 出荷前や工程内で毎回 | 定期的(半年~1年に一度など) |
混同しやすいポイント
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検査は製品に対して行う
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校正は測定器に対して行う
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どちらも「品質保証」に欠かせないが、役割は異なる
まとめ
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検査=製品が設計通りかを確認する作業
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校正=測定器が正しく測れているかを確認する作業
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どちらも品質管理の基本であり、不良やトラブルを未然に防ぐために必要不可欠