🛠 図面にある「注記」とは?
機械図面の片隅や枠外、図のそばに小さく書かれている「注記(ちゅうき)」は、寸法線や記号では表現しきれない補足情報や特別な指示を伝えるためのものです。
📌 注記に書かれる主な内容
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加工方法の指定(例:「バフ仕上げ」「旋盤加工」)
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表面処理(例:「黒染め」「三価クロメート」)
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材料の指定(例:「S45C」「アルミA5052」)
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組立・使用上の注意(例:「この面を基準とする」「この穴は通り穴とする」)
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寸法公差・幾何公差の特例(例:「特に記載のない公差は±0.1」)
👀 注記の見かたと読み解き方
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図面の枠外をチェック
→ 多くの注記は図枠の下や右側にまとまって記載されています。 -
番号や記号と対応させる
→ 図中に(①)(A)などで記されている指示は、注記と対応していることが多いです。 -
全体の整合性を確認する
→ 設計者の意図は、図・記号・注記をセットで読み取る必要があります。
⚠ 設計・加工での注意点
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注記は「読まなくてもいい情報」ではなく、「読まないと事故になる情報」です。
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材料や処理の指定ミスは、製品の性能や安全性に直結します。
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加工現場では、注記を見落とさず、全員が共有することが重要です。
✅ よくある注記のトラブル事例
注記の内容 | 見落とした結果 |
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「R面は手仕上げ」 | 工具で仕上げてしまい、バリが残った |
「組立時にグリス塗布」 | グリスが塗られておらず、摩耗が早期発生 |
「面粗さRa3.2以上禁止」 | 粗すぎる仕上がりで振動発生 |
🧭 まとめ
図面の注記は、設計者が「言葉で伝えたいこと」を詰め込んだ重要なパートです。見逃さず、正しく読み取り、現場で確実に反映させることが、品質・納期・安全性すべての面で大切になります。